骨格筋は運動により、繊維数の増殖と肥大を引き起こす。さらに損傷後も良好な再生を何度となく行い、自己再生能力の高い臓器と言える。我々の研究室ではこのような骨格筋から独自に分離・精製した骨格筋間質由来多能性幹細胞(SK-34細胞、SK-DN (double negative)細胞)を利用し、整形外科で扱う組織である骨格筋は元より、腱・靭帯、末梢・中枢神経、骨等の再生研究を行っている。
さらに臨床応用に近づけることを目的に骨格筋間質由来多能性幹細胞群をシートペレット(Tamaki T et al. Regen Med 2013)にし、腱・骨・末梢神経の再生に応用している。また“人”骨格筋間質由来多能性幹細胞を用いて、その分化能力を検討している。
当研究は再生医療科学 玉木哲朗 教授のもと、骨格筋再生研究ユニットとして行っている。
図1 作成したシートペレットとマウス前脛骨筋に移植したGFP陽性組織
(移植したGFP細胞は血管、神経、結合組織を活発に作成し、大きな欠損部を埋めた。)
Tamaki T, Hashimoto H, Uchiyama Y et al. Regen Med 2013
図2 マウス坐骨神経に移植された骨格筋間質由来多能性幹細胞は活発にミエリンを形成し神経再生に関与し、加えて神経内血管も再生している。
Tamaki T, Uchiyama Y et al. PLoS ONE 2014