Tokai University School of Medicine Department of Orthopaedics

臨床助手コース-医局員の声-

鈴木 雄久先生 -臨床助手コース-

【臨床助手コース紹介 】

臨床助手コースは、東海大学医学部付属病院群および関連病院にて整形外科専門医となる為の本格的な研修を行います。研修内容は日本整形外科学会後期研修必須項目に準じて行います。

【 チーム紹介 】

幅広く・深く学ぶプログラムが組まれています。

脊椎チーム、上肢チーム、下肢チーム、腫瘍チームに分かれて診療を行います。4つのチームをローテートすることで、診療範囲の広い整形外科疾患を幅広く・深く学ぶプログラムとなっています。

◎脊椎チーム

脊椎チームでは週に1回脊椎カンファレンスを行い今週の手術予定の症例の術式の検討と回診を行っております。日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医が6名おります。

脊椎脊髄外科では特に、腰部椎間板ヘルニア、すべり症などの腰椎変性疾患、側弯症などの脊柱変形、脊髄腫瘍、頸椎症や後縦靭帯骨化症による頚部脊髄症などが頻度の高い疾患です。また、救命センターを経由して搬送される脊椎脊髄外傷例の治療も私達の大きなフィールドです。

椎間板ヘルニアでは顕微鏡下ヘルニア摘出術、内視鏡的ヘルニア摘出術などにより、良好な長期成績をあげています。腰椎変性疾患では確実な除圧術と的確な判断のもと脊椎固定術が行われており、低浸襲な手術を心がけております。

側弯症の手術治療ではミリ単位の操作を可能とするCTナビゲーションや脊髄刺激モニタリング、自己回収輸血など最新の設備を駆使した安全性への配慮、新しいインプラントの導入で、人間の本来の弯曲へより迫る矯正術が可能となっています。
脊髄腫瘍の手術例は髄外腫瘍、髄内腫瘍ともに過去数年間に飛躍的に増加し、顕微鏡下手術により良好な結果が得られています。頚髄症に対しては片開き式の脊柱管拡大術を改良した、東海大式の拡大術を考案し実施しています。

いずれの疾患でも手術法の改良により、術後安静期間の著しい短縮化が得られています。腰椎・頸椎疾患の場合、側弯症などの症例以外では術後2日で歩行可能となっています。

上肢チーム

上肢チームでは肩関節・肘関節・手の外科それぞれの分野の専門医が診療・手術を行っています。外傷例に対する切断肢の再接着や植皮・皮弁は主に上肢チームが行っております。

いわゆる「五十肩」から始まり、腱板断裂、肩関節不安定症・脱臼や上腕骨骨折に対する治療を行っています。超音波断層撮影、MRIにより鑑別診断を行い、適切な治療をするように心がけています。

反復性肩関節脱臼をはじめとした肩関節不安定症には関節唇修復、関節包縫縮術を行い、再発率は10%以内、スポーツ復帰は80%の好成績を収めています。

投球肩障害にも症例を選択し関節鏡視下手術を行っています。転位の著しい上腕骨近位粉砕骨折に対しては人工骨頭置換術を行い早期からの可動域訓練により、平均挙上角度120°と良好な結果を得られています。リウマチ、変形性肩関節症に対しても人工肩関節置換術を行い良好な結果を得ています。


肘から手指の骨・関節、末梢神経を含む軟部組織の外傷・疾患を対象に診療しています。橈骨遠位端骨折や前腕・手指の骨折に対し、早期のリハビリテーションが行えるような固定方法で手術をしています。舟状骨骨折偽関節に対しては骨移植術や血管柄付き骨移植術法を行っています。末梢神経損傷では顕微鏡視下での縫合・移植術を行っています。関節リウマチによる腱断裂や神経麻痺による機能再建では、腱移行・移植術を行っています。手根管症候群は日帰り手術で行っており、他の手術においても症例内容によりますが出来るだけ局所麻酔での日帰り手術を行っています。

◎下肢チーム

股関節の疾患では,主に臼蓋形成不全症、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、先天性股関節脱臼を扱っています。

臼蓋形成不全症、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症には人工股関節置換術を施行しています。術後脱臼の合併症を減らすべく、従来の後方アプローチだけではなく、前方アプローチも積極的に取り入れています。

術後のリハビリテーションの迅速化を図り術後3週間で退院できるように努めています。先天性股関節脱臼の早期発見の為に当院での全出生児に新生児健診を行い、 治療は外来での装具療法で90%以上が整復されており、難治例には入院での牽引療法や手術的治療を行っています。

骨盤骨折には救命救急科、放射線科の協力を得て、経カテーテル的動脈塞栓術を積極的に行っており、骨折には主として創外固定を用い、内固定が必要な場合はプレートによる固定も行っています。複雑な骨盤骨折や股関節脱臼骨折には3次元CTで骨折型を立体的に把握して手術を行っています。

膝関節手術ではスポーツ外傷によるものが多く、膝前十字靭帯損傷、半月板損傷、離断性骨軟骨炎、 反復性膝蓋骨脱臼が主であります。 前十字靭帯損傷、半月板損傷では全例、関節鏡視下手術を行っています。

以前と比べ入院期間も著しく短縮され、前十字靭帯の術後は、約2週間で退院が可能です。半月板手術は約1週間で退院が可能となっています。その他関節リウマチや、変形性関節症の例に低侵襲の人工関節置換術を数多く実施しています。人工関節だけではなく、ご自身の膝関節温存を希望される患者様には膝周囲骨切り術も積極的に行っています。

また、大腿骨骨折、脛骨骨折の関節周囲の複雑な骨折例に対しては、内固定術だけでなく特殊な創外固定を駆使した手術法でも良好な成績を収めています。骨再生治療の一環として大きな長管骨欠損部に対する骨延長術も実施しています。

【 外来 】

QOLに直結する疾患を扱う整形外科の役割は大きいと感じます。

各曜日それぞれ、脊椎・上肢・下肢チームの医師が外来担当をしており、毎日5-7名外来を行っています。それ以外に、脊椎術後外来、側弯症外来、手・肘外来、膝・股関節外来、骨軟部腫瘍外来など専門外来も行っております。東海大学整形外科の医療活動は湘南、西湘、県央、伊豆箱根、静岡東部、西東京、山梨方面と多くの地域をカバーしているため、年間外来患者数は約30,000人です。

高齢化社会を迎えた今日、痛みや機能障害など患者のQuality of Lifeに直結する疾患を扱っている整形外科の役割は大きいと考えます。これから自分の専門分野をより追求し、患者さんの満足度をあげていければと思います。 また、これまで自分が先輩方にして頂いたように、少しでも多くの経験や知識を後輩に授けていけたらと思っています。

【 手術 】

神奈川県西部唯一の3次救急施設で症例数を経験できます。

特に外傷手術に関してはドクターヘリを有し神奈川県西部唯一の3次救急施設である伊勢原本院では、国内平均を圧倒する症例数を経験できます。年間約1800件の手術を行なっています。

【 病棟業務 】

術後の経過から得られる知識も多く、糧になっています。

脊椎・上肢・下肢・腫瘍チームそれぞれ1-2名の指導医を含む4-6名チームで20-30名程度の入院患者を受け持っています。若手医師はそれぞれ3か月交代で各チームをローテーションします。看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士と共にチーム医療を実践し、早期回復に努めています。

整形外科は、「外科」ではありますが、全身に関わる科であるので内科的な治療も重要です。術後の経過から得られる知識や、手術へ活かせる知識も多く、日々糧になっていると感じます。後輩への指導も自分の役割なので、自分が得た経験や知識は積極的に伝えていこうと思っています。

カンファレンス・勉強会

週1回の症例検討会と各チーム毎のカンファで、知識を深めます。

毎週月曜日の夕方にその週の術前、術後の症例検討会を行っています。カンファレンスにおいては、積極的に意見交換がなされ、保存的治療法の可否、手術方法について議論を行っています。
各チーム毎にもカンファレンスを行っているため、チームをローテートする中で、各分野の知識を深めることができます。

臨床助手の業務内容

◎回診

平日は朝7:30から回診があり、その後採血や前日のリハビリの状況を確認し必要であれば検査や指示の追加オーダーを出します。夕回診は17:00頃になります。
月曜日以外は回診後、オーダー、カルテ記載が終われば業務終了です。

◎カンファレンス、教授回診

毎週月曜16:30から教授回診があります。30分ほどで回診が終了し、その後カンファレンスにて症例検討、術式確認をします。通常は医局会で連絡事項の確認等を行い終了となりますが、週によっては学会発表の予演会や薬剤の説明会などがあります。

◎外来

週に1回外来日があり、担当の日は8:00から診察開始します。
予約件数は15-20人ほどで、初診件数が5-10人ほどです。
その日の件数にもよりますがおおむね14:00-15:00ほどで診察が終わります。

◎問診

外来担当日以外に、週に1回問診当番があります。
初診患者様の症状を伺い、必要な検査をオーダーします。
初診受付は11:00までなので問診は12:00頃には終わります。

◎手術

外来がない日はチームの手術に入ります。チームごとにそれぞれほぼ毎日手術があります。1時間ほどの外来手術から、側弯症、血管吻合など1日がかりの長時間の手術もあります。他科の手術と違いインプラントなどの器械が多いので、手技・手順・器械を覚えるのが大変です。

◎包交

月水金で9:00から包交があり入院患者の包交があります。創の状態を確認します。約45分で終わります。

◎救急担当  

午前、午後、当直帯でそれぞれ救急当番が割り当てられます。救急患者で外傷があればコールがあり診察を行います。脊髄損傷や開放骨折、骨盤骨折など緊急ope症例の場合、麻酔科に手術申し込みをし手術を行います。手術の際には上級医と行います。

◎レセプト・診断書

外来患者様のレセプトや保険に関する診断書の作成があります。研修医時代にはなかった作業なので慣れるまでは大変ですが、先輩が記載方法を教えてくれます。

~週間スケジュールの例~

 午前午後
手術手術、カンファレンス、教授回診22:00帰宅
外勤手術(応援麻酔)当直
手術病棟業務20:00帰宅
外来外来19:00帰宅
問診救急担当→緊急入院19:00帰宅
手術救急担当→緊急入院17:00帰宅
休み(入院患者のオーダー)

【後輩へメッセージ 】

現在東海大学整形外科は伊勢原本院で27人、私が所属している附属大磯病院と八王子病院を合わせると40人の医局員がいます。その他関連施設に出向している医局員を含めると60名以上が在籍しています。また開院以来毎年新入局員がおり、とても賑やかな医局です。

科の特性からか運動部出身者が多く、大学時代の部活の先輩後輩が医局員であることも少なくありません。日々の診療でわからないことがあれば上級医の先生方が相談に乗ってくださり、新入局員向けの勉強会などもあります。外来、手術だけではなく研究、学会発表などもあり、とても充実した日々を送っています。それだけではなく新年会、納涼会、忘年会などの定例行事以外にも、チーム毎の懇親会やゴルフコンペもあります。

また最近は学会のスポーツイベントにも積極的に参加しており、バスケットボール大会では惜しくも準優勝に終わってしまいましたが、渡辺教授、佐藤教授を含め多くの医局員の応援をいただき盛り上がりました。

入局したての頃はわからないことがとても多く、不安に感じることもあります。そんな中でもがき苦しんだ経験が自分の血となり肉となり、一人前の整形外科医になるための礎になると思って日々を過ごしております。

整形外科は運動機能の回復が主な役割ですが、患者様の状態が徐々によくなり、元気になっていく姿を見られることが整形外科医に与えられた特権ではないかと思っています。患者様に「今日はリハビリで歩けたよ。」「痛みがなくなって良くなったよ。」と言っていただいた時に、「整形外科を選んで良かった」と感じます。ぜひ、その喜びを共感すべく皆さんの入局をお待ちしております。