Tokai University School of Medicine Department of Orthopaedics

椎間板再生 -研究内容-

(持田讓治、酒井大輔、檜山明彦、田中真弘、額賀唯至、平石駿介)

ヒトが生活の質(quality of life、QOL) を維持しながら生き抜く為には、背骨の健康が欠かせません。脊椎と脊椎を繋ぎ、その可動性と荷重を支える椎間板(ついかんばん)は遺伝子異常、喫煙などの栄養障害、重労働などの荷重負荷、加齢や外傷など多岐に渡る原因により変性し、機能障害を生じます。椎間板障害は椎間板ヘルニアや変性すべり症を来たし、さらには変形性脊椎症から腰部脊柱管狭窄症などへ進展し、果てには変性側弯症、後弯症に代表される脊柱変形発症の要因となり事が明らかとなっています。

東海大学の椎間板再生研究グループでは過去20年来、椎間板の組織、細胞、遺伝子レベルでの理解と再生法について数々の研究業績を挙げ、世界をリードして来ました。以下に代表的な研究テーマを紹介します。

【細胞移植による椎間板再生治療を多くの患者さんへ】


椎間板細胞を体外で活性化し、再度患者さんの傷んだ椎間板へ移植する“活性化髄核細胞移植療法”を開発。世界で初めて臨床応用を行いました(上図、Mochida J et al. European Cells and Materials. 2015)。
3年間経ての結果では安全性に問題がなく、今後凍結保存した活性化髄核細胞や同種椎間板細胞、幹細胞(MSCsやiPS細胞など)を用いた臨床研究開発を予定しています。

【椎間板の細胞代謝、恒常性維持機構の解明へ】

椎間板前駆細胞の消耗が椎間板の加齢と変性に関与する事を初めて明らかにする(Sakai D et al. Nature Communications 2012)など、椎間板細胞の分化調節とニッチ機構につき詳細な解析を行い、創薬のターゲット分子探索など新規治療法の開発への応用研究が展開されています(上図、Sakai D and Andersson GBJ, Nature Reviews Rheumatology 2015)。

【 多くの整形外科研究者(Orthopaedic Scientist)を輩出 】

我々はこれまで数十名の若手Orthopaedic Scientistを始め、大学や医局の垣根を超えて多くの大学院生、研究者と共に椎間板研究に従事して来ました。海外の研究拠点とも非常に多くのコラボレーションがあります。興味のある方は是非一緒に椎間板ワールドを堪能しましょう。