Tokai University School of Medicine Department of Orthopaedics

教授挨拶

誠意と誇りを持った良整形外科医をめざして

教授(領域主任)
渡辺 雅彦

  日本は超高齢社会を迎え、平均寿命は男性81歳、女性87歳を超えています.しかしながら、介護なしで過ごせる健康寿命は男性が約72歳、女性が約75歳で、つまり人生の最後の10年は介護や入院が必要になるというあまりうれしくない結果もでています.要介護になる原因としては認知症やメタボリックシンドロームが有名ですが、運動器の障害も大きな一因です.運動器障害の予防・治療を担うのが整形外科です.整形外科学は、運動器の機能維持・再建をめざす臨床医学であり、脊椎、上肢、下肢、骨軟部腫瘍などの広範な診療領域を扱います。

  東海大学医学部外科学系整形外科は2024年に開講50周年をむかえます.良医を育てる、東海大学医学部の目標です.私どもは良整形外科医を育むことを考えながら、日々の臨床・研究に取り組んでいます.臨床医として運動器に関する知識や手術の技術の習得はもちろんですが、社会人として高い倫理感と常識を身につけた医師が目標です.東海大学整形外科には、脊椎、肩関節、手・肘外科、股関節、膝関節、腫瘍、小児整形外科などの診療・研究グループがあります.年間の手術件数は約1800件です.私は脊椎・脊髄外科を専門としており、通常の変性疾患から脊柱変形や脊髄腫瘍などの手術を行っていますが、他のグループも特定機能病院で行うべき難治例の手術が多いことが特徴です.また、高度救命救急センターを有する本学では数多くの重度外傷が搬送され、多くの外傷治療を経験することも出来ます.経験した症例や新たな創意工夫は学会で報告し論文にしています.さらに、東海大学は体育学部を有するスポーツの盛んな大学でもあります.柔道やテニスの全日本チームの帯同をはじめ、多くの種目のサポートを体育学部と協同して行っており、スポーツ医学の研修も可能です。

  また、整形外科は非常に基礎研究が活発な科であり、日本整形外科学会には基礎研究の発表を行う専門の基礎学術集会があります.私ども東海大学整形外科も[基礎医学と臨床医学の融合]を目標として、活発に基礎研究を行っています.再生医療を中心とした脊髄、椎間板、軟骨、骨格筋に関する研究を行っており、中でも椎間板、軟骨は他大学に先駆け既に臨床応用が行われ、世界的にも素晴らしい研究成果を挙げています.東海大学は、ハイブリッド大学院という臨床助手として臨床を行い、給与を得ながら大学院生として学べる、ユニークなシステムを有しています.また、大学院に進学しなくても基礎研究に取り組む医師も多くいます.若い時期に基礎研究に取り組むことは、その後の臨床を行う上で、漫然と治療を行うのでは無く、常に疑問を持ち、患者さんのためとなるinnovationを生み出す論理的な思考能力を身につけるために非常に重要だと考えています。

  東海大学整形外科領域はいろいろな多様性を有していることが特徴です.自分に相応しいことが必ず見つかります.全国からいろいろなプロファイルを持った方たちが、整形外科学領域の仲間になることを期待しています。